NISAを始めようと調べを進めると、必ず「投資信託」や「株式(個別株)」という言葉が出てきます。
「なんとなくイメージは湧くけれど、具体的な違いが分からない」
「NISAでは投資信託と株、結局どっちを買うのが正解なの?」
「初心者がいきなり株を買うのは危ない?」
このように、何を買えばいいのか分からずに手が止まってしまう方は非常に多いです。
結論からお伝えすると、投資初心者の方がNISAで選ぶべきなのは、圧倒的に「投資信託」です。
この記事では、投資信託と株の根本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、そしてなぜ初心者に投資信託がおすすめなのかという理由まで、専門用語を一切使わずに分かりやすく解説します。
1. そもそも「投資信託」と「株」は何が違う?
まずは、投資信託と株(個別株)の違いを、誰にでもイメージしやすいように例え話を使って解説します。
「株」は、こだわり専門店の単品メニュー
株(個別株)を買うというのは、「特定の会社(1社)にお金を出す」ということです。
例えば、トヨタ自動車の株を買う、任天堂の株を買う、といった形です。
- イメージ: 「ラーメン専門店」や「カレー専門店」
- 特徴: そのお店(会社)の業績が良くなれば、驚くほど大きな利益(大ヒット)が出ます。しかし、お店の評判が落ちたり、不祥事があったりすると、一気に大赤字(大損)になるリスクがあります。
「投資信託」は、栄養満点の詰め合わせ弁当
投資信託(ファンド)を買うというのは、「プロが選んだ何百、何千という会社の株が少しずつ入った、詰め合わせパックを買う」ということです。
- イメージ: お肉、お魚、野菜がバランスよく入った「幕の内弁当」
- 特徴: パックの中にたくさんの会社の株が入っているため、どこか1つの会社が倒産したり業績が悪化したりしても、他のみんなでカバーし合うことができます。そのため、大爆発的な利益は出にくいですが、「大損するリスクを極限まで抑える」ことができます。
2. 【徹底比較】投資信託と株の「5つの違い」
NISAで運用するにあたって、投資信託と株には具体的にどのような違いがあるのか、5つのポイントで比較表にまとめました。
| 比較項目 | 投資信託(おすすめ!) | 固定株・個別株 |
| ① 購入の手間 | プロにおまかせ(ほったらかし) | 自分で会社を選んで分析する |
| ② 必要なお金 | 100円 から購入可能 | 数万円〜数十万円が必要なことが多い |
| ③ リスクの高さ | 低い(自動で分散されるため) | 高い(1社の業績に左右される) |
| ④ 期待できる利益 | コツコツ、緩やかに増える | 短期で2倍、3倍になる可能性もある |
| ⑤ NISAでの利用枠 | 「つみたて投資枠」「成長投資枠」両方 | 「成長投資枠」のみ |
それぞれのポイントについて、初心者向けに詳しく掘り下げてみましょう。
違い①:必要な資金(いくらから買える?)
- 投資信託: ネット証券を使えば、なんと「100円」から購入できます。お小遣いやポイントの余りで気軽に始められるのが魅力です。
- 株: 日本の株は基本的に「100株単位」で買うルールがあるため、株価が3,000円の会社なら、最低でも「3,000円×100株=30万円」のまとまった資金が必要になります(※最近は1株から買えるサービスもありますが、選択肢が狭まります)。
違い②:リスクとリターン(損と得の振れ幅)
- 投資信託: 全世界やアメリカ全体の何千社もの企業にまるごと投資するため、値動きがマイルドです。地球全体の経済が成長するのに合わせて、長期でゆっくり資産を増やしていくイメージです。
- 株: 投資した1社の業績やニュース次第で、株価が急上昇することもあれば、急落することもあります。ハイリスク・ハイリターンな性質を持っています。
違い③:NISAで使える「枠」
第2回でも解説した通り、NISAには2つの枠があります。
- 投資信託: 国が認めた優秀な投資信託は「つみたて投資枠」で買えますし、それ以外の投資信託も「成長投資枠」で買えます。
- 株: 個別株は「成長投資枠」でしか買うことができません。
3. 【結論】初心者に「投資信託」を圧倒的におすすめする3つの理由
これからNISAを始める完全初心者の方には、迷わず「投資信託」をおすすめします。その理由は、初心者が投資で挫折しやすいポイントをすべてカバーしてくれるからです。
理由①:「分散投資」が自動でできるから(大損の回避)
投資の世界には、「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言があります。卵を一つのカゴにまとめて入れておくと、そのカゴを落としたときに全ての卵が割れてしまいますが、複数のカゴに分けておけば、一つのカゴを落としても他の卵は無事です。
個別株は「一つのカゴ」ですが、投資信託は最初から「何千個ものカゴに分けられた状態」です。
「どの会社が安全か」を見極める知識がない初心者でも、投資信託を1つ買うだけで、自動的に世界中の企業へリスクを分散させることができます。
理由②:知識ゼロでも「プロの運用」に乗っかれるから
個別株で利益を出すためには、会社の決算書を読んだり、業界のニュースをチェックしたり、買い時のタイミングを計ったりと、膨大な勉強と時間が必要です。
一方、投資信託は、あなたに代わって投資のプロ(ファンドマネージャー)が世界中の経済を分析し、最適なバランスで運用してくれます。あなたはただお金を預けて(積み立てて)ほったらかしておくだけで良いため、仕事や家事、趣味の時間を犠牲にする必要がありません。
理由③:毎月定額の「積立(ほったらかし)」に向いているから
株を毎月一定額ずつ買うのは、金額の変動が大きいため非常に面倒です。
しかし投資信託なら、「毎月1万円ずつ、全世界のパックを自動で買う」という設定が1分で完了します。一度設定してしまえば、株価が高いときも低いときも、機械的に淡々と買い続けてくれるため、「感情に左右されて高値で買ってしまい、大損する」という初心者に一番多い失敗を未然に防ぐことができます。
4. 初心者が「株(個別株)」に挑戦してもいい条件とは?
ここまで「投資信託がおすすめ」とお伝えしてきましたが、「どうしても知っている会社の株を買ってみたい!」「株主優待を体験してみたい!」という方もいるでしょう。
もし初心者がNISAの「成長投資枠」を使って株を買う場合は、以下の3つの条件をクリアしているか確認してください。
- 投資信託の「土台」がすでにできていること資産のすべてを株に回すのは危険です。例えば、毎月の投資額のうち「8割は投資信託で手堅く積立」「残りの2割の余剰資金で株を楽しむ」といった、守りの土台がある状態を作りましょう。
- 応援したい、好きな企業があること「儲かりそうだから」という理由だけで知らない会社の株を買うと、値下がりしたときに耐えられなくなります。「普段からよく使うサービスを提供している」「この会社の理念を応援したい」と思える企業であれば、多少の値下がりがあっても安心して保有できます。
- 株主優待や配当金(インカムゲイン)を目的にすること毎日の株価の値上がり・値下がりで利益を狙う(デイトレードのような)手法は、初心者にはほぼ不可能です。それよりも、「持っているだけで毎年マクドナルドの食事券がもらえる」「年に数回、配当金がお小遣いとして振り込まれる」といった、持っていること自体のメリットを楽しむ方が、初心者には健全で長く続けられます。
5. 迷ったらこれ!初心者が損をしないための「商品選びの基準」
「投資信託から始めるのは分かったけれど、投資信託の中にも種類が多すぎて選べない!」という方のために、絶対に失敗しないための選び方の基準を3つに絞ってご紹介します。
基準①:手数料(信託報酬)が「0.2%以下」のものを選ぶ
投資信託はプロに運用を任せるため、毎日「信託報酬」という管理費用(手数料)が引かれます。この手数料が1%や2%と高い商品を選んでしまうと、それだけで利益が削られてしまいます。
必ず「信託報酬が年0.2%以下(できれば0.1%前後)」の、驚くほど手数料が安い商品を選んでください。ネット証券のランキング上位にある「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)」などのシリーズは、どれも手数料が最安水準に抑えられています。
基準②:「インデックスファンド」を選ぶ
投資信託には大きく分けて「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2種類があります。
- インデックスファンド: 日経平均やアメリカのS&P500といった「市場の平均点」と同じ値動きを目指す商品。手数料が劇的に安い。
- アクティブファンド: 平均点以上の成績を目指してプロがハッスルする商品。手間がかかる分、手数料が高い。
一見、アクティブファンドの方が良さそうに見えますが、過去のデータでは「長期で見ると、アクティブファンドの8〜9割は、手数料の安いインデックスファンドに成績で負ける」という衝撃の事実が分かっています。迷わず「インデックスファンド」を選びましょう。
基準③:投資先は「全世界」か「米国(アメリカ)」を選ぶ
日本の未来だけに賭けるのは、少子高齢化もあり少し不安ですよね。そのため、投資信託の行き先(投資対象)は、これまできちんと右肩上がりで成長し続けている国を選びます。
- 全世界株式(通称:オルカン): これ1つで地球上の主要な企業約3,000社にまとめて投資できます。最も王道で、これ以上ないほど分散された安全な商品です。
- 全米株式 / S&P500: 世界の経済を引っ張るアメリカのトップ企業500社に投資します。オルカンよりも少し値動きは激しいですが、過去数十年の成長率は抜群です。
6. まとめ:初心者は「投資信託」を毎月積み立てるのが大正解!
今回は、NISAにおける「投資信託」と「株」の違い、そして初心者がどちらを選ぶべきかについて解説しました。
重要なポイントをおさらいしましょう。
- 投資信託: 100円から買える詰め合わせパック。自動でプロが分散運用してくれるので、初心者に最適。
- 株(個別株): 1社の業績に左右される専門店メニュー。知識と資金が必要で、初心者には難易度高め。
- 選び方のコツ: 手数料が安く(0.2%以下)、世界やアメリカに分散された「インデックス投資信託」を選ぶ。
まずは、お弁当の詰め合わせである「優秀な投資信託」を1つだけ選び、毎月無理のない金額で積立設定をしてみてください。画面を一度設定してしまえば、あとは本当にやることがなくなります。その「ほったらかし感」こそが、NISAで資産を増やす最大の秘訣なのです。
次回予告
投資信託から始める決意ができたら、次は「どこでNISA口座を開くか」です。
次回(第4回)は、「【2026年最新】NISA口座はどこがいい?おすすめのネット証券会社を徹底比較」をお届けします。
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