「将来に向けてお金を増やしたい」「投資って気になるけど難しそう…」——そんなときによく目にするのが「ネット証券」という言葉。でも、普段使っている銀行と何が違うの?と思ったことはありませんか?
実は、ネット証券と銀行では“目的”や“できること”が大きく異なります。どちらか一方を使えばいい、というものではなく、両方を理解し、うまく使い分けることが大切です。
本記事では、初心者の方にもわかりやすく「ネット証券と銀行の違い」を丁寧に解説し、どちらをどう使うべきか、実践的な活用法まで紹介します。
そもそもネット証券と銀行は何をするところ?
まずは基本から。ネット証券と銀行は、それぞれ何をする場所なのか?このセクションでは、その役割と仕組みの違いについて解説します。理解の第一歩として、両者の“本質”を押さえましょう。
銀行は「お金を守る」場所
銀行は、私たちが日常生活で最もよく利用する金融機関です。給与の受け取りや公共料金の支払い、貯金、ATMの利用など、生活に直結したお金の出入りを管理する役割を担っています。
銀行の主なサービスには次のようなものがあります。
- 普通預金・定期預金
- 給与・年金の受取
- 公共料金や税金の引き落とし
- 住宅ローンや自動車ローンの融資
- 外貨預金や保険の提供(最近は一部投資商品も)
つまり、銀行は「お金を保管し、安全に管理する場所」というイメージが適しています。
証券会社は「お金を運用して増やす」場所
一方、証券会社は投資のための金融機関です。株式や投資信託、債券などの金融商品を購入・売却することができます。
特にネット証券は、これらの取引をすべてインターネットで完結できるのが特徴です。スマホやパソコンからいつでも投資商品を選び、注文を出すことができます。
- 株式の売買
- 投資信託の購入・積立
- ETFやREITの取引
- FX(為替取引)や先物取引
- NISAやiDeCoの活用
つまり、ネット証券は「将来のためにお金を育てる場所」として活用されるものです。
サービス内容の違いとは?できることを比較しよう
ネット証券と銀行では、提供しているサービスの内容も大きく異なります。このセクションでは、具体的に何ができるのかを比較しながら見ていきましょう。
銀行でできること:生活資金の拠点
銀行は、毎日の生活を支えるための「資金の拠点」としての役割があります。急な出費や給与の受け取りなど、いつでも引き出せる資金を管理するのに最適です。
例えば…
- コンビニATMで現金を引き出す
- スマホ決済と口座を連携させる
- 家賃や光熱費の引き落としを自動化する
こうした機能は投資とは関係なく、「便利で安心な管理ツール」として重宝されています。
ネット証券でできること:資産形成のためのツール
ネット証券では、投資を通じてお金を増やすことが主な目的となります。とくに近年は、「つみたてNISA」や「iDeCo」などの制度を利用して、少額からでも着実に資産を育てられる仕組みが整っています。
具体的には、
- 月1,000円から始められる投資信託の積立
- 長期で非課税運用ができるNISA制度
- 将来の年金代わりになるiDeCo
- 株主優待や配当金を得るための株式投資
生活費を管理する銀行に対して、ネット証券は“未来のお金”を作るための場所といえます。
手数料・利息の違いをチェック!
お金に関する話では、「いくら増えるのか」「いくらかかるのか」がとても重要です。ここでは、銀行とネット証券それぞれの利息や手数料について、具体的な数字を交えて解説します。
銀行の金利は「増えない」に等しい?
現在、普通預金の金利は年0.001%が主流です。これは、100万円を預けても年間でわずか10円しか増えない計算になります。金利の高い定期預金でも、0.01〜0.02%程度にとどまり、「お金を増やす」という目的には適しません。
ネット証券なら、リターンが見込める
ネット証券を通じて投資すれば、当然リスクはあるものの、リターンも見込めます。たとえば、インデックス型の投資信託なら、年利2〜5%程度の実績を上げている商品も多く、長期運用すれば複利効果も期待できます。
たとえば、月1万円を年5%で20年間運用すると、元本240万円に対して約410万円以上になる可能性も。これは預金ではまず得られない結果です。
手数料はどう違う?
ネット証券には取引手数料がかかるイメージがあるかもしれませんが、最近では「買付手数料無料」「取引手数料0円」などのサービスも一般的です。
また、楽天証券やSBI証券などでは、投資でポイントが貯まる仕組みもあり、実質的なコストを下げながら投資ができるようになっています。
ネット証券って安全なの?信頼性やサポート体制
「ネット=危険」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、実際のネット証券はどれほど安全なのでしょうか?このセクションでは、セキュリティや保証制度、サポート体制について紹介します。
「ネット=不安」はもう古い
「ネットだけで完結するって怖い」「詐欺とか大丈夫?」という不安もあるかもしれませんが、主要なネット証券は金融庁に登録され、法律に基づいて運営されています。
万が一会社が倒産した場合でも、顧客資産は会社の資産とは分けて管理されており、「分別管理」によって守られます。
万が一のときの補償制度も整備
日本には「日本投資者保護基金」という制度があり、証券会社が倒産し、なおかつ資産が返還されない場合でも、最大1,000万円まで補償されます。
サポート体制も充実
多くのネット証券では、初心者向けのサポートが強化されています。
たとえば、
- チャット・電話相談窓口
- 初心者向け動画やコラム
- シンプルなスマホアプリ
「はじめての口座開設」や「最初の投資信託の選び方」などもナビ付きで案内されるため、不安を感じることなくスタートできます。
結局どちらを使うべき?初心者へのおすすめ活用法
ここまでの違いを踏まえて、「では結局どちらを使えばいいの?」という疑問に答えます。初心者がまず取るべき行動や、おすすめの使い分け方について具体的に紹介します。
両方使いこなすのが正解
銀行とネット証券は、役割がまったく違うため、どちらか一方だけを使うのではなく、それぞれの特徴に合わせて使い分けるのが賢明です。
- 銀行:生活費や緊急時の資金の管理
- ネット証券:将来に向けた資産形成や運用
このように「守りと攻め」で役割分担をさせると、バランスよくお金を管理できます。
初心者には「つみたてNISA」からが安心
まずはネット証券で「つみたてNISA」口座を開設し、毎月少額から投資信託を積み立てていくのがもっともリスクを抑えたスタート方法です。
たとえば、月5,000円×20年で元本120万円。年利3〜5%で運用すれば、資産は約160〜200万円に成長する可能性もあります。
まとめ
ネット証券と銀行は、見た目は似ていても、役割と目的がまったく異なります。
項目 | 銀行 | ネット証券 |
主な目的 | お金の保管と日常管理 | 資産運用と増やすこと |
利息・リターン | 極めて低い | 商品によっては高リターンも |
リスク | ほぼゼロ | 元本割れのリスクあり |
サポート体制 | 店舗中心 | オンライン中心(充実) |
投資は怖いものではありません。正しい知識とステップを踏めば、誰でも始めることができます。
まずは「知ること」から始めて、自分に合った方法でネット証券を活用してみてください。